西陣病院は「認定看護師」が在籍し、彼らは深い知識と高度な技術を持っています。それぞれが看護の現場で大きな責任を担っています。資格取得に向けた費用だけでなく、そのプロセスでの労働条件もサポートしています。資格を取得することで、仕事の選択肢が広がり、看護の世界がより多様になります。
皮膚・排泄ケア特定認定看護師
皮膚・排泄ケア特定認定看護師 多氣 真弓
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皮膚・排泄ケア認定看護師は、スキンケアを基盤として創傷ケアや排泄ケアを専門に行う看護師です。
2008年に認定を取得して院内を横断的に活動し、年間の延べケア件数は2600件ほどで約7割が創傷のケアです。褥瘡(床ずれ)や静脈うっ滞性下腿潰瘍、糖尿病性足病変、重症下肢虚血などの慢性創傷は、長期にわたるケアが必要で、皮膚科の坂元花景医師と連携して治療を進めていきますが、場合によっては糖尿病内科、循環器内科、整形外科医師とも連携して院内の医療チームで治癒を目指すこともあります。また、院内の看護師はもちろんのこと院外施設の看護師や訪問看護師とも情報を共有しながら療養の場がどこであっても継続したケアが行われ、創傷の適切な管理ができるようにしています。しかし、重要なことは創傷が発生しないように予防することです。加齢によって皮膚のバリア機能は低下しますので、からだを泡で優しく洗浄して、保湿剤を毎日塗ることで皮膚を健やかな状態にしておくことが予防につながります。
感染管理認定看護師
感染管理認定看護師 伊藤 良子
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資格を修得して6年目になります。感染管理認定看護師の役割りは、病院に出入りする全ての方に感染予防対策を行う事です。感染予防の基本は、手指衛生です。病院内では、ICT(感染予防コントロールチーム)として多職種で病院環境が適切か、標準予防策(感染予防対策の基本)が実施されているか、手指衛生が徹底されているか等を週 1回ラウンドして確認しています。入院患者さんの中には、隔離が必要な場合もあり感染対策表示カードの設置、個人防護具の用意、器材を個人専用に出来ているか等確認、指導しています。現場からの感染予防に対する相談にも応じています。退院時に耐性菌保菌のまま自宅、施設退院もあり洗濯方法や検体別取り扱いを(尿廃棄、痰を拭き取りしたチリ紙廃棄方法等)パンフレット作成し、お渡しする事もあります。
透析看護認定看護師
透析看護認定看護師 大槻 直博
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透析治療とは、腎臓の機能を補うための治療です。腎臓が悪くなる原因には、加齢、生活習慣、遺伝、免疫異常などがあります。特に糖尿病や高血圧といった持病をお持ちの方は注意が必要です。体のむくみ、血尿といった症状はありませんでしょうか。それらは腎臓の不調が原因かもしれません。透析看護では、透析治療を受けられている患者さんはもちろんのこと、腎臓の機能に不安を抱える全ての患者さんを対象としています。当院では、毎週水曜日と金曜日の午後からCKD(慢性腎臓病)看護外来という名称で、看護師が外来に立ち、腎臓の働きが弱まった方への透析予防を含めた介入を行っています。
認知症看護特定認定看護師
認知症看護 特定認定看護師 草川 千恵
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認知症看護特定認定看護師として、入院に伴う環境の変化で苦痛や困難を抱えている認知症の方が、安全に治療を受けることができ、入院後も自分らしく過ごせるように、そして早期に退院できることを目指して介入を行っています。具体的には、無機質な病床を少しでも住み慣れた自宅に近づけるようなレイアウトにしたり、点滴や治療に必要なチューブ類が気にならないような工夫を行ったりしています。そして、苦痛をうまく訴えられない認知症の方の表情やしぐさを捉え、全身の観察を行い、隠された身体異常を察知してケアへ繋げています。そのためにも、スタッフに対する指導や教育も重要な特定認定看護師の役割の一つであり、院内で認知症に関する研修会を実施したり、近隣の看護専門学校へ講義を行ったりもしています。
認知症の方が「地域で自分らしく暮らすことができる」よう、活動していきたいと思いますので、認知症に関する困りごとがありましたら、いつでもご相談ください。
認定看護管理者
修士号取得者3名を含め、計5名
『認定看護管理者』って聞きなれない名前だと思いますが、名乗ることができるのは日本看護協会が実施する認定看護管理者認定審査に合格することが必要です。その研修はファーストレベル(105時間)・セカンドレベル(180時間)・サードレベル(180時間) と3段階があり、サードレベルまで終了すると審査を受ける権利を得ることができます。他にも管理者経験を持ち大学院などで看護系の修士号を取ると受けることができます。西陣病院では、看護管理者のうち、ファーストレベル修了者43%、セカンドレベル修了者が31%、サードレベル修了者と大学院修了者が15%で認定看護管理者は修士号を取った3名と合わせ、5名となりました。
地域全体の医療・看護の質の向上を目標に
日本看護協会が示す認定看護管理者が行う活動とは、「患者・家族や地域住民に対しより質の高いサービスを提供できるよう、自身が管理する組織の課題を明らかにし、組織内の様々な部署や人に働きかけて、組織全体のサービス提供体制の向上に取り組むこと。また、地域の組織間の連携を図るなど、地域全体の医療・看護の質の向上に務めること」とされています。当院にいる感染管理認定看護師や皮膚・排泄ケア特定認定看護師・透析看護認定看護師・認知症看護特定認定看護師に地域で活躍してもらい西陣地域の方々の健康増進とQOL(生活の質)を維持向上できるよう貢献していきたいと思っています。